入院生活初夜のこと,6人(3人×2列)部屋の私はド
アから向かって左側の真ん中のベッドに入れられたのだ
が,その隣の廊下側の人が翌朝に出所・・・じゃない退
院を迎えるとのことで極度の興奮状態だった。その50
代後半位の男性がしきりに独り言で「やった。明日出ら
れる。俺は今日は眠らないんだ。眠らないぞ。」と何故
眠りたくないのかは解らないが,消灯過ぎてもテレビを
見続けていた。隣とはカーテンで仕切られているとはい
えテレビ(音声はイヤホーン)の明かりが漏れる。基本
的に私も眠れなかったのだが,そのうち見回りの看護師
さんに見つかり注意されて一件落着。
しかし本当に迷惑をかけていたのは実は私だったのある。
翌朝になり,隣の方が意気揚々と病室を去った後にいき
なり私はベッドごとそこへ移動させられたのである。何
でだろうと思っていると看護師さんが「イビキが煩い」
とのルームメイトからのクレームがあったとをこっそり
教えてくれたのである。
こればかりは本人に自覚症状が全く無いだけに,当座の
作戦として鼻腔を広げるテープを買って来てもらうよう
親に電話をしたしだいである。少々ばつが悪かったが,
まあ相手は皆さんお年寄りばかりで腹が立つというより
恐縮至極という感じで,でも逆に廊下側のベッドの方が
廊下に出やすくて良いなぁとポジティブシンキングであ
った。実は本当にラッキーだったのである。この話は後
編で。
そんなこんなで波乱の幕開け,いよいよ本格的に入院生
活の幕が切って落とされたのである。
では簡単に循環器内科の一日のスケジュールを説明しよう。
記憶が多少曖昧なため,若干の誤差はご容赦願いたい。
6時:起床・体重計測・体温測定(一人に一つ体温
計が貸し与えられる)・洗面
7時位:採血(はっきり言って新人看護師の練習台)。
看護師さんが来て問診(眠れましたかぁ〜お通じありま
したかぁ〜的なもの)と血中酸素量(指に挟んで計測)
と血圧の測定(血圧計は水銀式。オムロンではない(笑))
8時位:朝食(食事は人によって内容量及び種類が異な
る)このあとは自由となり,少したつとベットのシーツ
交換が毎日行われる(この役割も新人看護師)。私は交
換の時間の間が非常に手持ちぶさたなので,朝食後すぐ
に待合室へ移動して読書。しかし耳は古株の患者の話に
傾いていたりして(笑)。
12時:昼食。その後だいたい14時位から人によって
検査が開始されるが,歩ける人はインターホンで看護師
さんの指示に従い一人で向かう,無理な人は車椅子で準
看護師さんらしき人が明るく迎えに来る。(入院前半は
本当にお世話になりました)
16時:体重計測。16時から20時まで入浴(といっ
てもシャワーのみ)。
18時:夕食
19時:看護師さん見回り。金曜は部長の回診
21時:消灯
さてさて入院当初の私のスタイルはというと,点滴針を
腕にしっかり打ち込まれて,その管は金棒に点滴ぶら下
げ状態でくっついており,さらに心音を計測するために
胸に付けられた吸盤からコードが延びた機械(ナースス
テーションのマシンルームで心臓の動きを24時間無線
で監視している)その本体を肩から下げた布袋に入れて
,ベッドでは壁に付いている酸素吹き出しの管を両鼻に
突っ込んでいなければならないという,今考えると「重
症なのね」状態だったのである。
ちなみに毎朝採血や点滴針を何回も打っているとしだい
にその部分の皮膚の色が変わり,外出して警察官に腕見
られたら絶対に交番連れて行かれるなぁと痛感したしだ
いである。(笑)
入院して間もなくの頃は,まさに新入り状態で何をどう
するかを手探りで覚えていった。例えばテレビはカード
を入れると見られるようになり,そのカードは待合室に
販売機が置いてある。退院時にはカードを入れると未使
用分の残金戻ってくるというすぐれもの。
ここで幸いしたのは通勤途中で入院となったため,数万
円のお金が財布に入っていたことである。しかし間食は
厳禁であるため,入院前半はテレビカード以外で病院内
でお金は使われなかったというオチ付きではあった(笑)
。もちろん入院費用もあったが,驚愕の値段(初期の頃
は毎日レントゲンだ心電図だと検査検査に明け暮れたた
め,一日約一万円かかっていた。)であったため手持ち
では足りず銀行にも行けないので,いい年こいて親から
借金をしたのである(涙)。
また初期段階では間断なく点滴をしていた為シャワーが
浴びられなかった,ところが三日に一回看護師さんが体
を拭いてくれるのである。もちろん自分で出来るところ
は自分でだが,看護師さんってこんな介護士さんみたい
なことまでするのかと少々驚いた。それと頭も洗ってく
れるのである。正直看護師さんは偉いと思った。
ところで皆さんは院内感染という言葉をご存じだろうか
,病院の中はバイ菌がうようよしているのである。その
為本来の病気以外の病気(感染症)にかかることがある。
これを院内感染という。
ご多分に洩れず私も入院して間もなくいきなり38度か
らの発熱が続いた。しかし何が腹が立つかというと病院
で感染したのに,その薬の抗生物質の代金は自分のお金
で払うということである。
なんだか詐欺っぽくないか!まさか菌をばらまいている
のではなかろうな!納得いかんぞぉ〜〜〜と言いたかっ
た。。。
それでも看護師さんが氷枕を持ってきてくれたのは有り
難かった。やっぱり偉い!?と熱にうなされながら思っ
たのである。
この氷枕でも忘れられない事件があった。深夜に氷が溶
けきってしまい,我慢するか新しく氷を入れて貰うか迷
ったのだが,意を決してフラフラしながらナースステー
ションまで歩いて行ったのである。しかしそこには看護
士さんはおらず。当直の若い研修医らしき男がいた。そ
いつと目があったので頭を下げたのだが,そいつはきっ
ぱりと私を無視したのである。深夜に患者が来ているの
に無視をしたのである。つまり僕の仕事じゃないよと暗
に言いきったのである。そいつの顔は未だに忘れない。
そして後の退院間際にささやかな仕返しをすることがで
きた。これはまた後半で述べるとして,医者とは何か「
病気を診るのでは無く病人を診る」これが真理ではない
のか,お前のような奴は医者になる資格はないと声を大
にして言いたい。
大きい病院の問題なのであろうが,病院とはまず階級社
会であること「医者:部長クラス・中堅クラス・若手・
研修医」「看護師:婦長・中堅・若手」「准看護師(パ
ートの方もいる)」「掃除のおばちゃん」これらは仕事
だけでなく歴然として階級社会を形成している。全部が
全部ではなかろうが,恐らく人間関係もぎくしゃくして
いると思われる。また行政的に見ると「医療」「事務(
入院手続き・費用請求等々)」「薬剤師(服薬指導と相
談)」の活動も完全に別れている。世の中「医薬分業」
が叫ばれているから,医者と薬剤師は別れても仕方がな
いとしても,一番腹がたったのが,事務と医者である。
事務の人間は人の病状知らないから保証人2人書いて入
院手続きを一階でして下さいと簡単に言う。ところが医
療現場の人間からは,機械取り付けてあるからフロアー
から出ないで下さいと言われている。部署間の横の連絡
が全くないのである。
さすがに年取った父親に手続きを頼むのは気が引けたの
と頭にきたのもあって,結局機械がはずれるまで入院手
続きは無視した。でもその間に何も言ってこないのだ。
だったらそんな無駄な事務なんか止めて退院時に全て処
理すれば良いのである。入院に保証人というのも驚きだ
が,そもそも保険証で会社名やら住所やら押さえられて
いるのだから逃げようが無いのは分かり切ったことだ。
すみません,またまた興奮してしまいました。(笑)
ではまた。。いよいよ年内に完結・・・予定です